みやログ

イラストレーターみやれいこ日々直感スケッチ *イラストの無断転載厳禁

あるおじさんのはなし

 

父の友人の知人のおじさんのはなし。

おじさんは若い頃から自由人だった。会社勤めがどうにも性に合わなくて、サラリーマン以外の様々な職を転々とした。

ある時、朗らかで暖かい感じのスナックのママと知り合い一緒に住む様になった。ママの店は繁盛していたから、おじさんは働かなくてもよい生活だった。ヒモ生活。

暇だったおじさんは、昼の間スナックの場所を使ってそば屋を始めた。そば打ちが流行っていたし、なんとなくできそうな気がして、見よう見まねでそばを打ち始めた。品書は、もりそばと天ぷらだけ。

そのシンプルなメニューが受けたのか、おじさんにそば打ちの才能があったのか、いつの間にかそばと天ぷらのみの「こだわりの蕎麦屋」として有名になった。おじさんは、それ以外は作れなかっただけなのに。

そば屋は繁盛した。おじさんは暇だった昼間の時間をつぶすために店を始めただけだから、忙しいのが苦痛になってきた。

とうとう予約も取れないほどの人気店になった時、おじさんは突然店を辞めた。

「忙しいのがイヤ」そんな理由だった。

その後おじさんは、なんとなく廃品回収の仕事を始めた。それもまた、なぜか繁盛しているらしい。

父の友人の知人のおじさんのはなしでした。(実話)f:id:haroom88:20180706181001j:image